お店の電話が鳴りました。
呼び出し音で外線だとわかります。
たぶん、お客様。
案の定、商品の問い合わせです。
在庫を調べてみたところ、あいにく、自分の店では欠品中。
よくよくお話を伺うと、医療関係にお勤めで、大変お忙しいご様子です。
どうにか商品を用意してもらえないかとのことなので、近隣の店舗をあたって、取りに行けるお店に話をつけました。
通常、商品の移動は配送業者を使うので、取り寄せに2〜3日の時間をいただきます。
ただ、こういったイレギュラーの場合は、取りに行けるようであれば取りに行って、ご用意することもあるのです。
商品をもらいに行った先は、古巣の百貨店インショップ。
当時とは顔ぶれも変わっていて、知っている人が見当たりません。
しかたなく、手が空いている若手のスタッフに声をかけます。
「お疲れ様です!〇〇店から商品をいただきにきました」
「あ、お疲れ様でーす。少々お待ちくださーい」
裏から出てきたのは、女性の店長。
よく知っている人でした。
「おー!ひさしぶりー!」
「ひさしぶり~!なに、商品持っていくんだって?」
「いただいちゃってごめんねー」
自分が異動して以来、じつに4年ぶりの再会です。
「もうここでずいぶん経つよね。どのくらいになるんだっけ?」
「今月で丸15年よ。16年目ってさ、もう高2よね」
この百貨店にはウィメンズ店とメンズ店が別々にあります。
彼女はずっとウィメンズ店にいて、店長まで上り詰めた人。
ぼくはメンズ店にいて、10年くらい一緒に仕事をしていました。
同じ学年ということもあり、タメグチで話せる数少ない戦友の一人。
ものすごくひさしぶりなのに、不思議とブランクを感じません。まるで4年の月日がウソのように、ゲラゲラ笑いながら商況などを情報交換。プライベートの話も少しだけしたりして。
「じゃ、そろそろ行くわ」
「うん、またねー」
わずか10分ほどでしたが、彼女のハツラツとした顔を見て、こちらも元気をもらいました。
彼女も頑張っているんだから、自分も頑張らなくちゃな。
そう思いながら自分の店に戻り、いただいた商品をお客様に無事ご案内したのでした。
◼️今日のとくとく
戦友に会ったこと
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