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わかっちゃいるけどやめられない

とくとく日記
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「スーダラ節が聴きたい」

 

リビングのPCで動画を見ていたら、突然奥さんが言い出した。言われるがままに検索して、紅白歌合戦の動画が目にとまったので視聴した。

 


スーダラ節から始まるヒット曲のメドレーは、昭和生まれのぼくにはどれも馴染みのある曲ばかりで、気がつくと一緒になって口ずさんでいた。

 

タキシードでビシッときめ、コミックソングを軽快に歌う植木等のスラッとした立ち姿が意外だったようで、奥さんは

 

「この人、カッコいいね」

 

と感心していた。

 

一緒に聴いていた娘にも何か感じるものがあったらしく、

 

「わたし、このうた、すきー!」

 

と言いながら、ケラケラ笑ったり、踊ったりしていた。

 

あとで調べてみたら、植木等はこの第41回に歌手として23年ぶりに出場。歌手別視聴率で男女通じて1位となる56.6%を記録していた。

 

ステージの雰囲気を見れば、その偉業もうなずける盛り上がりっぷりで、とにかく愉快な気分になることうけあいの動画である。

 

 

『スーダラ節』は、ハナ肇とクレイジーキャッツの歌謡曲である。この曲をきっかけにして、ボーカルの植木等は爆発的な人気を得ることになる。

 

1961年に発売となるや大ヒット。当初はレコードのB面だったが、途中でA面に差し替えられるほどの人気となった。累計売上は80万枚で、この年の年間3位を記録。ちなみに1位は『上を向いて歩こう』であった。

 

酒、博打、女をやめられない悲哀をコミカルに描いた歌詞をみて、正統派の歌手としてやっていきたいと考えていた真面目な植木等は、最初歌うのを嫌がったそうだ。

 

しかし、浄土真宗の僧侶であった父親が「わかっちゃいるけどやめられない」というのは親鸞の教えと同じであり、人間の矛盾した真理を表現しているものだからヒットするというので、そのすすめに従って歌ってみたら大ヒットした。

 

父親が言った通り、その思想の普遍性は時代を越えて多くの人に共感され、たくさんのアーティストにもカバーされている。

 

たとえば、星野源は植木等へのリスペクトを公言しているアーティストの一人で、陰鬱な学生時代に植木等の映画や歌に救われたと言っている。

 

 

星野源とタモさんのこんなコラボを見ると、胸が熱くなるではないか。

 

 

ところで、この「わかっちゃいるけどやめられない」というフレーズを聞いて、一つ思ったことがある。

 

スーダラ節では、酒、博打、女がモチーフとして登場している。それらは人生の快楽でもあるが、度が過ぎると身の破滅にもなりかねないものだ。

 

ぼくは「SNSもだな」と思った。

 

インスタグラム
フェイスブック
ツイッター
ユーチューブ
ブログ
etc…

 

個人が自由に情報発信をできるようになり、承認欲求の虜になっている現代人にとって、SNSはまさに「わかっちゃいるけどやめられない」ものである。

 

「いいね」が心地よい快楽である一方で、それを求めるあまり無茶をしたり、はたまた誹謗中傷を受けたりで、最悪の場合は命を落とすようなことまで発生している。

 

さて、どうしたものか。

 

スーダラ節では、特にそれに対する答えみたいなものを提示していない。

 

あるのはこの歌詞だけだ。

 

ア ホレ スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイー
スイーラ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイー
スイスイ スーダララッタ
スラスラ スイスイスイー
スイスイ スーダララッタ
スーダララッタ スイスイ

 

この歌詞は植木等の口癖をもとに、青島幸男が作詞したもので、特に意味はないのだそうだ。

 

結局、「わかっちゃいるけどやめられない」ものとして、付き合っていくしかないのだろう。

 

せっかくやるのであれば、嘘をついたり誇張したりせずに、素直にいいと思ったコトやモノを発信するのがいいと思う。それが誰かの役に立ったり、誰かを幸せな気持ちにしたのなら、きっと嬉しいはずだ。

 

もちろん、あまり見たくないものもあるにはある。そんな時は、片目をつむってやり過ごすことが必要かもしれない。

 

いずれにしても、うまくバランスをとりながら、スイスイスイーと泳いでいければいいなと思う。

 

◼️今日のとくとく

スーダラ節に人間の真理をみたこと

 

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