もう何回目になるのだろう?
そう思って、学生時代のアルバイトと会社勤めの年月から雑に計算してみたら、350回目くらいの給料日だった。
子どものころ、親父にたのまれてタバコを買いに行ってもらっていたお駄賃が、労働の対価という意味では、はじめてのお給料にあたるのだろうか。
外で働いてはじめてお金を稼いだのは、高校生のときにやった年末年始の郵便局のアルバイトだった。
お給料は、郵便貯金への振り込みだったから、現金でもらったという記憶はない。
かつてお給料は現金でもらうものだった。
給料袋が立つとか立たないとか、そういう時代があった。
今もそういうところはあるかもしれないが、たぶん少ない。ほとんどが銀行口座への振り込みで、もらうのは給与明細という名の紙きれ一枚か、最近ではメールなどで知らされて、それすらないところもあるかもしれない。
もはやお金は、右から左に流れるだけのデジタルの数字の羅列と化している。
もちろん、銀行からおろせば現金にはなるわけだけど、その時点でなんとなくお給料感はない気がする。
「今月もご苦労さまでした」
そんな労いの言葉と一緒に現金を手渡されていた時代の方が、給料日というのは何倍もうれしいものだったんじゃないだろうか。
「タバコ、買ってきたよ」
「おう、サンキュー」
親父からもらっていたお駄賃が懐かしい。
■今日のとくとく
給料日だったこと
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