本棚の整理をしていた。
ものを書くことに関する本を片付けていたら、タイトルに「10倍」と付いている本を3冊も持っていることに気付いた。
『10倍売る人の文章術』
『10倍売れるWebコピーライティング』
『10倍速く書ける超スピード文章術』
どうやら10倍速く書いて10倍売りたかったらしい。
それぞれ学ぶところがある良書なのだが、3冊集まると自分の欲深さというか、浅はかさというか、効率よくちゃちゃっとやりたいみたいな邪(よこしま)な気持ちが透けて見えるようで、だいぶ恥ずかしい。
ただ、これが3倍だと弱いし、100倍だと疑わしいので、10倍というのはちょうどいいぐあいにぼくの心を刺激したのだと思う。
数字というのは具体的な表現だといわれている。
たとえば、3と言われたら、誰が何と言おうと3だ。
では、10倍と言われたら、本当に10倍なんだろうか。
手元にある本であれば、はかることは可能だ。
10倍売れたかどうかは、本を読む前後の売り上げを比較すればいい。
10倍速く書けるかどうかは、ストップウォッチで測ればいい。
しかし、10倍幸せと言われたらどうか。
どのくらいかよくわからない。
測ることも難しい。
これは数字のトリックだ。
人は刺激的なトリックに魅了される。
10倍という数字は刺激的だ。
アップ&ダウンはまるでジェットコースター。
人は、ヒマに耐えられないし、飽きっぽい。
常に刺激を求めて生きている。
10倍という言葉は、そんな僕らを刺激する。
日常が劇的に変わるかもしれない。
10倍という言葉には
そんな予感がある。
だから、ぼくは3冊も「10倍」を買ってしまったんだと思う。
ちなみに本当に10倍の成果が出るかどうかは、あなた次第である。
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