映画『ドラえもん のび太の新恐竜』を鑑賞してきました。
平日の真っ昼間、40代男性、Tシャツに短パンにサンダルで、帽子にメガネにマスクをして、マクドナルドの月見バーガーセットを食べた時に飲みきれなかったコーラの紙コップを片手に「ドラえもん、大人一枚」っていう時の気恥ずかしさは、なかなかのもんでした。
しかも、奥さんと子どもたちは先に見に行っていて、特典の冊子をもらってきていたんですが、全部で5色あって中身が違うらしいんですよ。これ、ぼくには「色違いをもらってこいよ」という無言の圧がかかっているわけじゃないですか。
でね、チケットカウンターの右側をみると、アクリル板越しに冊子が入っているカゴが見えるわけですよ。「あー、たぶんあそこから取るんだろうなー」ということが容易に想像がつくわけで、一番手前にある色がピンクだったんですけどね。スマホに入っているわが家のコレクションを確認したら
すでに持ってるー!
で、チケットをもらって、簡単にコロナ対策の説明をされて、ではどうぞーと言われて「あれっ?冊子は?」ってぼくがなっている時に、受付のお姉さんが「あっ、そうそう、これどうぞー♪」って言いながら冊子を取って差し出してくれたんですね。
ピンクのブツを。
それに対して、ぼくはアクリル板の向こうを指で差しながら言ったわけです。
「あ、すみません、あの次に見えている緑がいいんですけど…」
ちょうどね、ピンクを取った次がグリーンだったんですよ。「あッ!」って思いましたよね。あと家にないのはグリーンとブルーの2色だったんですね。だから勇気を振り絞って言ったんですけど、もうこの時点でぼくの中では「ごめんなさい!本当に面倒くさくてごめんなさい!見るからに怪しいオッサンのささいな願いを正直に口にしてしまって、本当にごめんなさい!」という申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
ただ、そこは接客業を長くやっていますから、どういう表情、どういう仕草、どういう声色だと相手がこちらの要求を飲んでくれやすいかということは熟知しておりますし、こういう交渉のために、今まで接客スキルを磨いてきたといっても過言ではありませんのでね。全身全霊を投じた謙虚さ1200%のお願いをしてみたわけです。もちろん、お姉さんはぼくみたいな怪しい風貌のオッサンが、こんなテクニックを駆使してくるとは微塵も予想していなかったでしょうから、まったくなすすべもなく
「あ、そうなんですね。いいですよー♪」
と言って快く変えてくださいました。
まあ、本当は面倒なオッサンにつきあってらんないから、すんなり受け付けてくれただけなんだと思いますけどね。とにかく、最初の難関を無事にクリアできて、あーよかったよかったと安心して、これで心置きなく映画を鑑賞できるぞ!となったわけです。
ちなみにこの時点で上映の30分前。少し早めに着いてしまったんですが、この日の最初の回で、すでに開場されていたので、席に座ってゆっくり待つことにしました。そうしたら、ここでまた一波乱ありましてね。もう参りましたよ。
音楽が。
最初は星野源の『ドラえもん』がかかっていたんですよ。だからそんなに違和感もわかなくて、「あぁ、星野源は新しいドラえもんのイメージだよね」と思いながら、特典でもらったグリーンの冊子のマンガを読んでいたんです。この冊子ね、映画のなかで登場する秘密道具や恐竜が出てくるマンガが4編おさめられていて、これだけでもお得感がハンパないんです。で、懐かしいなあと思いながら、ページをめくっているところに、何がかかったと思います?
こんなこといいな できたらいいな
あんなゆめ こんなゆめ
いっぱいあるーけどー
うわあぁぁ。。
ってなりましたよね。そう、ぼくが子どものころの主題歌だったんです。しかもね、立て続けにその時代の歌が次から次へとかかりまくって、ぼくを少年のノスタルジーへと駆り立てまくるんですよ。もう完全に35年前の少年のあの頃にタイムスリップしてしまっているところにね。
はい、タケコプター
ひゃぁぁぁぁーーーーッ!
大山のぶ代さぁぁぁーーーーん!!!
とね、大山のぶ代さんのドラえもんの声だけで、胸の鼓動がアツくなっちゃいました。もう、どれだけぼくのボルテージを上げてくるんだって話ですよ。上映前からだいぶグッタリしたことろで、館内の照明が暗くなり、予告編が始まります。
…ええ、まだドラえもんは攻撃の手をゆるめてくれませんでした。
『STAND BY ME ドラえもん2』
おいおいおいおい、なんだよ、これ。。
くっそ、こんな揺さぶり方あるかよぉ。
50周年とかハンパねぇ。。
のび太のくせによぉ。
と、完全に脳内がドラえもんに染まり切ったところで、いよいよ本編上映。
4回泣きました。
■今日のとくとく
『ドラえもん のび太の新恐竜』を見たこと
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