ろぎおについて

むずかしくしている言葉

とくとく日記
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よく使う言葉ってあるじゃないですか。

 

業界ごとにだったり、仕事上だったり、趣味の世界だったり、いろいろなところで専門用語と言われたりもする言葉。

 

当事者同士であれば、もっとも理解が早いし、それが一番言いえているから、そういう言葉を使うのは便利です。

 

でも、それがかえって心理的なハードルを上げてしまっていたり、イメージを難しくさせていることもあるんじゃないかと思うのです。

 

 

今日、子どもと話していて「習慣化」という言葉を使った時に、ハッとしたんですね。

 

なんか難しくねえかなって。

 

言い換えた方がわかりやすいし、たいしたことじゃないように感じられるんじゃないかなって。

 

で、習慣化の例え話にはよく歯みがきが使われますよね。毎日やらないと気持ち悪くなるでしょって。

 

でも子どもは歯みがきってやりたくないし、めんどうくさいし、別にやらなくてもよくね?って思ってたりする。

 

歯みがきの話が当てはまらない子もいるはずなんです。

 

だから例え話にするなら、相手の納得感があるものにする必要があるし、そこんとこをちゃんと考えないとなと。

 

あとはそんな話すらせずに、目的のために物理的なところに手を加えてしまって、習慣化を無意識にできるようにするみたいなこともあると思います。

 

たとえば「学ぶこと」を習慣化させたいのであれば、トイレで便座に座っているときに、どうせヒマだろうから目の前に貼ってあるポスターでも見とけとか言って、自然と何かを覚えるように仕向ける方がいいのかもしれない。

 

こちらが習慣化をプロデュースしてしまうことで、本人に意識させずに習慣化を達成することもできるんじゃないかと。

 

そういう場合にわざわざ「習慣化」という言葉を使うのは、かえって話をややこしくしている気がするんですよね。

 

 

もう一つ。

 

最近、ちまたで「自己肯定感」って言葉がすごく聞かれます。

 

ありのままの自分を肯定できる感覚ってことらしいんですが、なかなかそれができないという人が多いみたいで、「わたし、自己肯定感が低いんです」という人がメチャクチャいる。

 

本屋に行くと、自己肯定感を上げるには的な本がベストセラーになっていたりもします。

 

でも大昔から自分に納得がいかないとか、悩みや不安があるとか、そういう感覚って当たり前のようにあったと思うんですよね。

 

古代ギリシアの哲学者が言っていることだって、自己肯定感が低い人に向けて発せられたんだろうなってものがたくさんあります。

 

今、ググって自己肯定感が低い人の特徴っていうのを見てみたんですけど、

 

・他者と比較する癖がある

・過去にトラウマがある

・承認欲求が強く他者に依存してしまう。

 

これってみんなそうでしょ。

 

SNSやってる人なんて、特にそう。

 

いいねの数を気にしたり、それに機嫌が左右されたりしてるでしょ。

 

つまりそういう負の感情を抱えるのは当たり前なんだけど、それがこんなにも取りざたされているのは何なんだろうと思うんですよね。

 

で、やっぱり言葉なんだと。

 

このキャッチーな言葉を使いたいんですよね。

 

一言で全部言い表せるから。

 

私は「自己肯定感が低い」と認めることで、不安な感情を抱くのはおかしいことじゃない、だって私は自己肯定感が低いんだから、と思えてバランスがとれるみたいな。

 

これって一見、いいことのように思えます。

 

言葉がいい方に作用しているじゃないって。

 

たしかにいい面もあるにはありますけど、一方でその一言に集約してしまうのは、それはそれでどうなんだろうとも思います。

 

人間の感情ってもっと複雑なもんだし、そんなに簡単じゃない。そしてそれ自体はまったくもって普通というか、そういうもんなんだよなって。

 

そういう部分にしっかり向き合っていくことで、単純じゃない人間というものをもっと深く理解できたり、精神が育っていったりするんじゃないかなって。

 

僕は人間関係で苦労もしましたし、痛い目にもたくさんあった。でも周りの人に支えられたり教えてもらったりして、いろいろな感情を理解してきました。

 

あとは本をたくさん読んで、自分と同じ感情を抱く人がいることとか、全然違う感じ方をする人もいるということを知ってきました。

 

そういう面倒くさいプロセスを踏んで、どうにかやってこれた。そしてこれからも面倒くさい感情と付き合いながらやっていくのが当たり前だし、みんなそうだと思っているんですね。

 

だから言葉を簡単にすることで、かえって事態を難しくしているような気がしてならないのです。

 

どんどん自己肯定感が低い人が増えていくみたいな。

 

そんな言葉遣いが果たしていいんだろうかって思うのです。

 

それはあなたが自己肯定感が高いから言えるんですよ、っておっしゃる人がいるかもしれませんね。

 

ええ、そうかもしれませんけど、でもそうじゃない時もありましたからね。そういう波があるのが人間なんだと思うんですよ。

 

あとストレングスファインダーってあるじゃないですか。あなたはこういう人間ですみたいなやつ。

 

あれ僕は嫌いなんですよね。俺はそんな単純じゃねーぞって思っちゃう。

 

会社でやらされて、すごく聞いてくる人とかいますけど、もうその時点でその人のことも嫌いになりそうになります。

 

そういう枠の中にはめ込むようなことされて、みんな嫌じゃないのかなってね。

 

 

むずしくしている言葉

 

 

そんなふうに考えているお前がいちばん面倒くさいわ!って思いますよね。

 

自分でもそう思います。とほほ。

 

 

■今日のとくとく

またひとつ言葉のおもしろさに気づいたこと

 

 

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